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「小説 ヤミよ」
ボクは女ではありません

ボクは女ではありません 2 子供の眠り

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 眠っている子供を見ると、
 苛め殺したくなるボクは、異常だろうか?
 幸せそうに、自分は世界に愛されています、育まれています
 …なんて顔、
 潰してしまいたくなる。

 妹が生まれたころは、愚かにも、母の愛を信じていたからか、
 幸せそうな妹の寝顔に癒されたものだった。

 そう、癒された。

 今は癒されることなんて、
 ただのひとかけらの要素もなく、
 ひたすら、腐っていくような
 …脳が腐っていくような苦痛と一緒に、
 嫌々生きているというのに。

 ボクが珍しく居間で座り込んでいると、
 無口の殻を被った弟が、
 テレビ、いい?
 そんな質問をした。

 もともとテレビなんて見ていない、と、
 好きにすれば?と、伝えると、
 弟はゲーム機を持ってきて、テレビゲームを始めた。

 ボクには分かっている。
 これは弟なりの家族団欒なのだ。

 ぼんやりと、ボクはテレビ画面を見つめる。
 プレイヤーキャラクターの赤い長髪が綺麗だと思った。

 僕もゲームをすることにした。
 携帯ゲーム機を引っ張り出し、電源を入れる。

 ボクの気に入っているゲーム。
 ほのぼのしているようで、
 妙に現実的なところが気に入っている。

 兎の毛を刈り取り、フェレットを市場で毛皮に変える。
 ヤギの乳をチーズにするか、考えていると、

 弟が、
 ああ、死んだ
 と、肩を落とした。

 ボクはとぅーびーこんてぃにゅーと声をかけた。
 すると弟が話しかけてきた。

 姉貴、噂なんかさ。
 それだけだった。

 意味くらい分かる。
 噂なんか気にするな。

 ボクは、気にしていないよ、と言った。
 ん、無口な弟の応え。

 なんだか少し、癒されたよ。
 ありがとうなんて言わないけれど。

 弟が自分の部屋に戻っていくと、
 ボクもつまらないので部屋に戻った。
 部屋には鍵が表からも内側からもかかるようになっている。
 宝物を盗られないように。

 剃刀にカッターナイフ、彫刻刀。
 無理やり通わされている精神病院で
 調子を悪く伝えてたくさんもらった薬たち。

 ボクは、死について考える。

 死んだら、この世から消えられるのだろうか。
 死んでも、あの世などというものがあるのだろうか。

 死は、甘いだろうか?苦いだろうか?

 ボクはベッドに横になり、目をゆっくりと閉ざした。
 不眠の闇は今日も訪れるのだろう。

 世界に小さく、声を上げた。 
 さあ、世界に主張しよう。


 ボクは女ではありません。
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