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「小説 ヤミよ」
零崎藍織の人間吟遊 長編

零崎藍織の人間吟遊 【愛】

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 臆病なのは誰よりも私自身。

 幸せが続くという考えが、どうしても、できない。

 例えば家賊に何かが起こったら?
 例えば家賊という形態が崩壊したら?
 例えば…
 例えば、私が人生に絶望したら?

 そんなことはないと思っている。
 今は、今は…。


 【犠牲宣詩】の妖しい輝きに、いつもの、をやる。
 私は、私の左の腕の外側に【愛】と刻んだ。

 何度も刻んでくっきりと刻み込まれた【愛】の文字。
 過去に失ったもの。再び手に入れたもの。

 不安で、不安で…涙が溢れた。

「藍花さん、大丈夫?」
 部屋の扉を開けてからノックする廉。確信犯だろう。
 実は誰かに来てほしかったから、鍵をかけていなかったことに気づいているだろうか?
「廉…、私の作品には、私も含まれる…」
 ぎゅっと抱きしめられて、涙は止まらない。
「けれど、これは自傷行為なの。愛が、欲しい…」
「大丈夫。僕が藍花さんを、愛してる」
 大切な人の言葉に安心した。
 ふわりと眠りに引き込まれる。

 うっすらと聞こえた会話の記憶…。

「双識さん、藍花さんはどうして…」
「大切なものを失うと、臆病になるんだよ。殺人鬼でもね」
「たいせつな、もの」
「家族だよ。廉識、君にしか言わない」
「………」
「藍織ちゃんは自らの家族を自らの手で殺めている。覚醒のタイミングが悪かったんだよ」
「藍花、さん…」
「妹を頼むよ」
「はい」

 廉、私を捨てないで。
 私はみんなが大好きで…この関係を壊したくない。

 壊したのは私なのに、壊されることを恐れるのは、愚かだろうか。

 隣に横たわり、あやすように私の髪を撫でるこの手を失いたくない。

「ねえ、廉」
「なに?」
「愛してる。…それだけ」
 顔が赤くなったのが分かった。
 部屋は薄暗いから大丈夫。

 私はとても臆病で、それでもとても、幸せだ。


「起きなさい」
 人識と舞織を叩き起こす。
「傑作な夢を見たぜ」
「ほう、説明を求めますう」
「忘れた」

 トーストに、ベーコンエッグ、スープ、サラダ、牛乳の朝食。
 簡単だが、私が作った。
 妙にがつがつ食べる人識は昨日の真夜中帰ってきた…つまりはそれまで、放浪していたのだが、明らかに食事には困っていたらしい。
「姉ちゃん、最高」
 本気で言っている…。
「おかわりあるわよ。スープの」
「わーい」
 キャラ崩壊…。
「美味しいよ、藍花さん」
 廉はふふふと笑う。

 嗚呼、幸せだ。
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